お薬のこと

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透析患者にデノスマブは低Ca血症が起こりやすいですか? PMID: 38241060

JAMA. 2024 Jan 19.PMID: 38241060

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38241060/

【論文のPECO】
P:透析を受けている骨粗鬆症の治療をしている65歳以上の女性
E:デノスマブ療法 60㎎
C:BP療法(アレンドロン酸、リセドロン酸、イバンドロン酸)
O:重度の低Ca血症発生率
【結果】
12週間加重累積発生率
41.1%(607/1523)vs2.0%(29/1501)
加重リスク差:39.1%(36.3%-41.9%)
加重リスク比:20.7%(13.2-41.2%)
RR:20.55
ARR=ー39.1
NNH=2.56
デノスマブ治療群:低カルシウム血症患者 65.8%(n = 361/549)
90日目までに正常(>8.5 mg/dL [>2.12 mmol/L])に戻った
透析の種類での差は見られなかった。HD 41.5%vs2.1%、PD:36.6%vs0%
【コメント】
透析と骨粗鬆症治療を受けている65歳以上の女性に対して、デノスマブを使用すると2人治療すると1人が重度低Ca血症になる可能性が示された。
デノスマブを使用する場合は、慎重な管理が必要となる可能性がある。