お薬のこと

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ベンペド酸の安全性と有効性について PMID: 30865796.

Ray KK, N Engl J Med. 2019 Mar 14;380(11):1022-1032.PMID: 30865796.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30865796/

【論文のPECO】
P:アテローム動脈硬化ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症
E:ベンペド酸  n=1488
C:プラセボ n=742
O:安全性
【結果】
有害事象 78.5% vs 78.7%
(鼻咽頭炎、筋肉痛、上気道感染症、尿路感染症、関節痛、めまい、筋けいれん、下痢)
30日後死亡 0.9% vs 0.3% 
LDL (12週目)-18.1%point(-20.0 to -16.1)P<0.001
(24週目)-16.1 %point(-18.2 to -14.0)P<0.001
【研究背景】
スタチン療法だけでは、LDL治療が不十分な患者がいる。その場合の新たな選択肢として挙げられているベンペド酸は、既存の治療を補完する治療薬として使用することが出来るのか調査した研究である。
【コメント】
最大耐用量のスタチン療法を、他の脂質低下療法の併用・非併用を問わず受けており、LDL コレステロール値が 70 mg/dL 以上の患者を対象にしている。
有害事象の発生率は、対象群と変わりなく、安全に使用ができる可能性がある。
またLDLコレステロール低下効果も示されたこともあり、今後の選択肢の1つとして採用される可能性は十分にあるだろう。