お薬のこと

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母親の抗てんかん薬の服用と子供のてんかんの関係 PMID: 38407908

JAMA Netw Open. 2024 Feb 5;7(2):e2356425. PMID: 38407908

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

【論文のPECO】
P:てんかんを患う母親
E:妊娠中の抗てんかん薬の使用(ASM)あり
C:なし
O:子供のてんかんリスクに関連しているか?
T:21年
・前向きコホート
・欧州(デンマークフィンランドアイスランドノルウェースウェーデン
【結果】
バルプロ酸:AHR:2.18(1.70-2.79)
ラモトリギン:AHR:1.18(0.95-1.47)
レベチラセタム AHR:1.28(0.77-2.14)
カルバマゼピン AHR:1.13(0.85-1.50)
トピラマート AHR:2.32(1.30-4.16)
クロナゼパム AHR:1.90(1.16-3.12)
妊娠前に中止vs継続 
バルプロ酸 1.69 (0.91-3.16)
ラモトリギン 0.65 (0.42-1.03)
トピラマート 1.19 (0.26-5.44)
【コメント】
バルプロ酸とトピラマートは出生前の使用が子供のてんかんリスクに関連している可能性がある。
感度分析では、母親がバルプロ酸の用量に依存したかてんかんのリスクに差はなかった(AHR:0.58 0.23-1.46))。更に、妊娠前のASM中止がてんかんリスクへの影響については、バルプロ酸を含めて差が無かった。
薬の服用によってリスクが高まるより、その他の遺伝的な要因などが関連している可能性が示唆された。