お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

妊娠中の抗てんかん薬の服用に対する影響についての調査 PMID: 35639399

JAMA Neurol. 2022;79:672-681 PMID: 35639399

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov


【論文のPECO】
P:妊娠中のてんかんのある女性から生まれた子供 n=4,494,926
E:抗てんかん薬あり 
C:抗てんかん薬なし
O:神経発達障害のリスクが増えるか
神経発達障害自閉症スペクトラム障害 (ASD)、知的障害 (ID)
コホート研究
【結果】
てんかん薬なし群:8歳までにASD診断:1.5%、ID診断:0.8%
トピラマート単独療法:ASD aHR:2.8(95%CI,1.4-5.7) ID aHR:3.5(1.4-8.6)
バルプロ酸単独療法:ASD aHR:2.4(1.7-3.3) ID aHR:2.5(1.7-3.7)
レベチラセタムとカルバマゼピン(8年間累積) aHR:3.5(1.5-8.2)
ラモトリギンとトピラマート(8年間累積) aHR:2.4(1.1-4.9)
レベチラセタムとラモトリギン (8年間累積) aHR:0.9(0.3-2.5)

【コメント】
トピラマートの妊婦または授乳婦への注意書きが追加されたきっかけの試験。
バルプロ酸は所謂催奇形性が知られている。トピラマートはバルプロ酸よりも頻度が高く、神経発達障害の発症リスクが高まると考えられる結果であった。 また、バルプロ酸同様に、用量依存でトピラマートは催奇形性を示したと示唆される。