お薬のこと

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類天疱瘡はDPP-4阻害薬を使っている人の方が多いですか?PMID: 30624566

JAMA Dermatol. 2019 Feb 1;155(2):172-177. PMID: 30624566

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30624566/


【論文のPECO】
P:韓国の健康保険審査評価サービスのデータベース
E:類天疱瘡発症した人
C:発症していない人
O:DPP4-iの使用率、DPP4-iの発生率
症例対照研究、ランダム化
【結果】
DPP4-i使用率:38.9%vs28.1%
ビルダグリプチン OR:1.81 (1.31-2.50) P<.001
シタグリプチン OR:1.70 (1.19-2.43) P=0.004
リナグリプチン OR:1.64 (1.15-2.33) P=0.006
その他 OR:1.25 (0.73-2.14) P=0.41
【コメント】
韓国のデータベースを用いたDPP4-阻害薬の類天疱瘡の発症についての研究において、薬剤の使用が発症に関連していることが分かった。特にビルダグリプチンが有意に高い事が分かった。更に男性患者に多い事も明らかとなった。
他の研究においても、ビルダグリプチンはリスクが高い傾向が知られていることから、過去の研究との一致していることが分かる。
DPP4-iを使用している患者において、皮膚症状のインタビューが聞き取れた場合は、類天疱瘡を念頭に置いたアプローチを行うと良いだろう。