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関節リウマチの治療に低用量プレドニゾロンを2年間続けても大丈夫ですか? PMID: 35641125

Ann Rheum Dis. 2022 Jul;81(7):925-936.PMID: 35641125

リンク

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35641125/

【論文のPICO】

P:65歳以上の活動性RA患者
I:プレドニゾロン5 mg/日を2年間 n=224
C:プラセボ n=225
O:疾患活動性(疾患活動性スコア、DAS28、コプライマリー)および関節損傷(Sharp/van der Heijde、セカンダリー)有害事象


【結果】

年齢72歳、罹病期間11年、DAS28 4.5の患者451名
DMARD:疾患修飾療法(79%)
生物学的製剤を服用(14%)
主要評価  DAS28:平均 -0.37(95%CL,0.23)
有害事象:60%vs49%
aRR:1.24(95%CL: 1.04)p = 0.02
AE の増加は感染症で最も顕著
28.9 vs 21.9/100人年


【コメント】

プレドニゾロンを2年間使用することで、疾患活動性は弱まる傾向にある。
有害事象では、感染症が最も多かった。 日常臨床では感染症の中で肺炎予防に焦点を当ててST合剤を併用することが多いくらい肺炎の発生率が高いと思われたが、肺炎の発生頻度は低かった。また、骨折は評価に含まれていなかった。
ベースラインでメトトレキサートに限らず、生物学的製剤やDMARDなど最新の治療法を行っていることもあり、ベースラインの治療効果もあり、プレドニゾロン 5㎎/日の純粋な効果とは判断が出来ず、過大評価に注意が必要だと考えられる。

DAS28(ダス28:Disease activity score 28)とは・・・
圧痛関節数、踵脹関節数 ※28関節
CRP (mg/dl) か ESR (mm/hr)
患者による全般的評価(VAS)
軽症になるにつれて数字は小さくなる