お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

メトホルミンとビルダグリプチンの併用療法は早い方がいいですか? PMID:31542292(VERIFY試験)

PMID:31542292 (VERIFY試験)
Lancet. 2019; 394: 1519-1529
P:2DM、N=2001 18~70歳 HbA1c:6.5-7.5% BMI:22-40 kg/m2
E:メトホルミン(1000㎎、1500㎎、2000㎎)+ビルダグリプチン(50㎎分2) N=998
C:メトホルミン(1000㎎、1500㎎、2000㎎) N=1003
O:初回治療失敗までの期間(連続2回の受診でHbA1c≧7%までになる期間)
T:RCT
【結果】
43.6%vs62.1% 初回治療失敗率 HR 0.51(0.45-0.58) p<0.0001
関連した死亡は無かった。
【コメント】
DPP4阻害薬における心血管イベントの抑制を直接見たわけではないが、HbA1cを長く抑え安定させることがイベント抑制に繋がることから本試験がアウトカムとしてHbA1cとして使われているのだろう。
そして早期併用群の方がHbA1cが7%以上になるまでの期間が長かった。 早期併用をどの位早期から導入させるべきなのか?
本邦のガイドラインでは単剤投与が基本である事も踏まえて、本試験を当てはめる外的妥当性のある方がいるのか?糖尿病専門医なら良いのか?循環器専門医だと時期早々なのか?
現時点では使い方の見極めが難しそうな結果であった。