JPRAS Open. 2023 Jul 1;37:92-101. PMID: 37457991
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37457991/
【論文のPECO】
P：乳がん既往歴なし 18歳以上の女性 n=1987
E：乳房の手術を受けた人（縮小：56人、豊胸：26人）
C：受けていない人
O：運動習慣の頻度、5㎞ランのタイム
試験デザイン：横断研究
【結果】
・参加者の40%以上が週に4回以上運動していた
・胸のサイズの減少と運動頻度の増加との間に有意な関連性があることが実証されました
BREAST-Q スコア 平均差：11.3POINT（5.9-16.8，P<0.001）
（BREAST-Q アンケート：乳房への満足度と心理社会的および身体的健康の平均値）
5㎞タイムラン/週1回
自己ベスト：0:30:44 (0:07:01) vs 0:33:55 (0:07:39) vs 0:31:59 (0:06:05)
平均タイム：0:35:50 (0:08:01) vs 0:39:16 (0:08:08) vs 37:30 (0:07:48)
【背景】
胸のサイズの大きさが女性の身体活動に対する障壁の4番目にある事が発見された。
また、アスリートの44%がトレーニング中または、競技中に運動誘発による胸痛を経験しているとの報告がある。
現在、オーストラリアのメディケア給付金スケジュールでは、「首または肩の領域に痛みを感じている巨大乳房の患者」に対して、乳房縮小術がオーストラリア政府によって補助されると概要が定められています。
そこで、乳房縮小手術を行った女性は運動習慣にどのような影響を与えるのか調査を行った。
【コメント】
まず、オーストラリアでは、政府により乳房縮小施術が補助されるという日本とは違う状況であった。
また、運動習慣についてカイ二乗検定で、胸のサイズ減少と運動頻度の増加に有意な関連性があると記述があるが、明確な数値が記載されていないこと、これはP値など点推定も信頼区間などの区間推定のどちらも記載が無いため、吟味しようがない。
また、週1回の5㎞ランニングのタイムについても、平均速度が層別化されたにしても数値の記載が無くグラフが描かれたのみであった。
よって、有意差があったなどの記述があってもグラフで誤魔化されている可能性がありそう。
