お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

化学療法を受けている乳がん患者さんにヨガはいかがですか?PMID: 28940301 5月エビテン

PMID: 28940301
Cancer. 2018 Jan 1;124(1):36-45.

【論文のPECO】
P:化学療法を受けている女性乳がん 平均50歳
E:チベットヨガプログラム(TYP)N=74 ストレッチプログラム(STP)N=68
C:通常のケア(UC)N=85
O:睡眠障害疲労に差はあるか?


【結果】
7~8割の人が毎週の化学療法を受けていた。
①パクリタキセルを毎週12サイクルまたは3週間ごとに4サイクル
ドセタキセルネオアジュバントを3週間ごとに4サイクル投与した後、FAC(フルオロウラシル・アドリアマイシン・シクロホスファミド)/FEC(同・エピルビシン・同)を3週間ごとに4サイクル
睡眠障害> 
TYP群 vs STP群 差:-0.43(-0.82 to -0.04) P = 0.03
TYP群 vs UC群 差:-0.41(-0.77 to -0.05) P = 0.02
<覚醒時間>
STP群 vs TYP群 差:15.36(7.25-23.48) P = 0.0003
STP群 vs UC群 差:14.48(7.09-21.87) P = 0.0002
★週2回以上TYPをした群→3か月後6か月後にUCと比較してアクチグラフィの転帰が良好だった。
チベットヨガプログラム(TYP)とは
1)呼吸と視覚化を伴うガイド付き瞑想によるマインドフルネスと集中的注意
2)代替の鼻孔呼吸法(9回の浄化呼吸)と呼吸保持運動(例、4分割呼吸)
3)Tsa Lungの動き
4)思いやりに基づく簡単な瞑想で締めくくります。


【コメント】
化学療法を受けているなど治療を受けていると、精神的に疲れが出てきて睡眠時間が短くなるなどの気分変化が出来てます。

いわゆる治療疲れというものでしょうか。
そこに、ヨガをするなど身体を動かすことで、少しでもリラックスすることで総睡眠時間と疲労回復に対して、今回は統計学的に有意な差は見られなかったものの、こういった効果があるという介入方法の提案をしてもいいのかもしれない。