Lancet. 2022 Sep 10;400(10355):832-845.PMID: 36049498
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36049498/
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(22)01545-8/fulltext
【論文のPECO】
P:血管疾患の既往歴のある人
E:①スタチン N=62028 ②強力なスタチン N=15390
C:①プラセボ N=61912 ②強力でないスタチン N=15334
O:横紋筋融解症の発生率
T:システマッティクレビュー&メタアナリシス
【結果】
①筋肉痛 RR:1.03(0.99-1.08)
四肢の痛み RR:1.00(1.00-1.19)
その他骨格筋痛・筋肉の疲労等 RR:1.10(0.92-1.31)
全ての筋肉痛 RR:1.03(1.01-1.06)
②筋肉痛 RR:1.04(0.98-1.11)
四肢の痛み RR:1.02(0.88-1.19)
その他骨格筋痛など RR;1.07(0.79-1.43)
全ての筋肉痛 RR:1.05(1.01-1.09)
<期間>
0-3か月 RR:1.08(1.02-1.15)
3-6か月 RR:1.08(1.00-1.17)
6-9か月 RR:1.10(0.99-1.21)
9-12か月 RR:1.00(0.99-1.21)
1年後 RR:1.07(1.04-1.10)
2年後 RR:1.00(0.94-1.06)
3年後 RR:0.97(0.90-1.05)
4年後 RR:1.01(0.91-1.13)
5年後 RR:0.99(0.96-1.02)
【コメント】
全体なスタチン由来による筋肉痛としての発生頻度は、1.03倍だった。また、11(6-16)件/1000人年の絶対過剰率に相当し、スタチン療法に割り付けられた参加者によるこれらの筋肉関連の報告の15分の1([1-07-1-00]/1-07)だけが実際にスタチンに起因していたことを意味していた。
国家試験などでも問われるスタチンによる筋症状は発生頻度が思ったよりも少ないのかもしれません。しかし起こるときは、1年未満が有意に多く、特に使用3か月以内が最も有意にリスクが高い可能性があるため、長期的な横紋筋融解症フォローより、使用開始直後1年(特に3か月)のフォローが重要かもしれません。