お薬のこと

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PCI後心房細動の二重療法と三重療法どちらが安全で有効ですか? PMID:31651946

PMID: 31651946
Eur Heart J 2019; 40: 3757-3767.
P:PCIしたAFの人 N=10234
E:NOAC + P2Y12 (2剤併用)→DAT N=5496
C:VKA + DAPT(3剤併用)→TAT N=4738
O:MACE(MI・脳卒中・ステント血栓
T:
SR&メタアナリシス
対象試験:【AUGUSTUS,ENTRUST AF-PCI,PIONEER AF-PCI,RE-DUAL PCI
【結果】
安全性評価(出血):RR 0.66(95%CI,0.56-0.78) P<0.0001 I2=69%
ステント血栓:RR 1.59 (1.01-2.50) P=0.04 I2=0%
頭蓋内出血:RR 0.33(0.17-0.65) P=0.0001 I2=0%
全死亡:RR 1.1(0.91-1.34) P=0.32 I2=0%
CVD死:RR 1.10 (0.86-1.41) P=0.44 I2=0%
脳卒中:RR 1.00 (0.69-1.45) P=0.99 I2=0%
MI:RR 1.22 (0.99-1.52) P=0.07 I2=0%
MACE:RR 1.08 (0.95-1.23) P=0.26 I2=0%
【コメント】
出血、ステント血栓、頭蓋内出血以外は統計学的な差は見られなかった。
MACEの中で、血栓のリスクが高まり、出血は下がった。
出血は下がったが、出血を見ているアウトカムは異質性(I2)が高い=バラつきが大きいのではないだろうか?
PCI後のNOAC + P2Y12 (2剤併用)の経過は追加の結果を待った方がいいのかもしれない。
個人的にはNOAC+DAPTの経過が気になる。