Hypertension. 2020 Jan;75(1):51-58.PMID: 31786983 ESAX-HTN Study
【論文のPECO】
P:本態性高血圧 日本人 N=998
E:エサキセレノン 2.5㎎ N=330 または5㎎/日 N=337
C:エプレレノン 50㎎/日 N=331
O:治療終了時のベースラインからの座位収縮血圧/拡張期血圧
T:12週間、
【結果】
2.5㎎ 差:SBP -1.6mmHg(-3.3 to 0.1) P=0.6101
DBP -0.7mmHg(-1.8 to 0.3) P=0.0709
5㎎ 差:SBP -4.8(-6.4 to -3.1) P<0.0001
DBP -2.3(-3.3 to -1.3) P<0.0001
非劣性マージン:SBP 3.4mmHg DBP 1.5mmHg
<K値の最大値>
エプレレノン6週目と8週目に到達
4.40±0.34 and 4.40±0.32 mEq/L
エサキセレノン 2.5㎎/日 5㎎/日 共に2週目に到達
4.48±0.34 and 4.56±0.32 mEq/L
<高K血症の頻度>
エプレレノン:0.9%
エサキセレノン 2.5㎎:2.4%
5㎎:2.1%
【コメント】
・高血圧に対して、エプレレノンに劣らず降圧効果が得られることが示された。
エサキセレノンの方が半減期が長い(エプレレノン:5.0±1.7時間 エサキセレノン:18.6±2.4時間)ことも由来し、24時間収縮血圧、拡張期血圧ともにベースラインと比較して安定した降圧効果を示した。
・高カリウム血症の頻度はエプレレノンよりも高く、K値が5.5mEq/L を2回以上経験した割合がエサキセレノンの方が多いことから、引き続き高カリウム血症に対する警戒は怠ってはならないだろう。 また、高カリウム血症を引き起こすまでの時間について、エサキセレノンのほうが早く数値が高めであった。
・この臨床試験の結果だけで判断するのであれば、腎機能の下がっていない高血圧症例に対してならば使用が出来るが、選択肢としての優先順位は低いだろう。