お薬のこと

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急性心筋梗塞後の左室駆出率が低下している患者へのエプレレノンは有効ですか?(EPHESUS 試験 ) PMID:12668699

N Engl J Med. 2003 Apr 3;348(14):1309-21. PMID:12668699.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12668699/

【論文のPECO】
P:AMI後のHFrEF
E:エプレレノン 50㎎/日まで増量 n=3319
C:プラセボ n=3313
O:複合(何らかの死亡、CVD死、HF、MI、stroke、心室不整脈
【結果】
全死亡率 RR:0.85(0.75-0.96)P=0.008
CVD死亡率 RR:0.83(0.72-094)P=0.005
AMI RR:0.82(0.61-1.10) P=0.19
HF RR:0.80(0.62-1.04) P=0.10
脳卒中 RR:0.91(0.89-1.02) P=0.73
低K血症 8.4% vs 13.1%
【コメント】
エプレレノンによる全死亡率や心血管死亡率/心血管イベントによる入院は統計学的に抑制傾向であったが、個々のアウトカムは有意差を示さなかった。
この集団は、LVEFは33%と低めであるが、血圧は高くない(コントロール出来ている)。また、β遮断薬やACE阻害薬を使っている症例のプラス α であれば、エプレレノンによる効果が期待できる可能性がある。