Front Med (Lausanne). 2022 Jan 17;8:780127. PMID:35111776
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35111776/
【論文のPECO】
P:中等度-高度のCKD N=42
E:エロビキシバット服用後
C:服用前
O:排便回数・血液データパラメーター
T:前後比較、4週間
【結果】
排便回数:0.5±0.4→1.1±0.6
LDL-C:90.9±37.2 mg/dL→77.5±34.8mg/ dL、P<0.05
HDL-C:44.9±14.3 mg/dL→57.0±25.8mg/ dL、P<0.05
【コメント】
エロビキシバットは排便回数を増やすことが出来そう。
+ 胆汁排泄を阻害する作用機序による、LDL-コレステロール・HDL-コレステロールも改善の傾向が見られた。更にG5と末期ステージが42.9%約半数近くいた。
気になった点……
① 透析の有無・CKDステージレベルの違い・併用下剤の有無・朝食前後の服用タイミングの違いに関わらず排便頻度が増えた部分です。
これは、腎機能障害の程度によってエロビキシバットの効果に差が無い(差が出にくい)ということなのでしょうか。
② エロビキシバットの排便頻度とリン酸塩濃度には正の相関性が示されたこと。(標準係数= 0.321、p = 0.043)
ハシモトらの報告によると(Kidney Int. 2020 Jun;97(6):1164-1180. PMID: 32354638)腸管への胆汁酸の増加はリン酸塩やカルシウムの吸収を増やすとされています。
CKD(特に透析を受けている)の場合は、リン値の増加が起こりやすく血管石灰化の原因になりうることから、エロビキシバットの使用はリン値へのモニタリングに注意が必要かもしれない。