N Engl J Med. 2021 Dec 9;385(24):2252-2263.Epub 2021 Aug 28. PMID:34449181 (FIGARO-DKD)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34449181/
【論文のPECO】
P:慢性腎臓病+2型糖尿病、ACE-i/ARB で治療中 N=7341
E:フィネレノン N=3683
C:プラセボ N=3658
O:複合(心血管死亡率、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心不全入院)
【結果】
HR:0.87(0.76-0.98)
心血管死亡率:0.90 (0.74–1.09)
非致死的心筋梗塞:0.99 (0.76–1.31)
非致死的脳卒中:0.97 (0.74–1.26)
心不全入院:0.71 (0.56–0.90)
<有害事象>
高カリウム血症 18.3% vs 9.0%
RR:2.02
【コメント】
フィネレノンを投与することで、1次・複合アウトカムを改善することが示された。
しかしながら、複合アウトカムの内訳 有意差が示されたのは心不全入院だけであった。これはFIDELIO-DKD 試験(PMID:33264825)と同様の傾向と言えるのではないだろうか?
主要アウトカムを複合にする事自体は問題がないが、複合にしている個々のアウトカム本体であるハードアウトカムのほとんどが有意差を示さず、ソフトアウトカムのみが差を示してしまっている。これを組み込んで主要アウトカムが統計学的有意差を示したとするのは半ば強引である気もします。
本当に2型糖尿病の腎機能を保護することが出来る薬なのかは、今後の解析、試験結果を待ちたい。