お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

SGLT-2 阻害薬は死亡率を減らしますか? メタ&システマティックレビュー PMID:34617565

Eur Heart J Qual Care Clin Outcomes. 2021 Oct 7:qcab072.PMID:34617565

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34617565/

P心不全 N=15684

ESGLT-2i(ダパグリフロジン/エンパグリフロジン/ソタグリフロジン)

C:?

O:全死亡率

T:システマティックレビュー&メタ分析、20.1カ月

【結果】

HR:0.91(0.82-1.01) P=0.071

心血管死亡率 HR:0.86(0.76-0.96) P=0.018

心不全入院 HR:0.69(0.61-0.77) P<0.001

エンパグリフロジン:2

ダパグリフロジン:1

ソタグリフロジン:1

【コメント】

様々な SGLT-2i の結果を見ていくと、心不全入院(ソフトエンドポイント)は減らす事に関しては一貫しているが、死亡などのハードエンドポイントを有意に減らすことに関しては、「結果によりけり」である事を示している証拠かもしれない。

しかしながら、心不全の場合は入退院を繰り返す事で予後を悪化させる傾向があるという背景を加味すれば、心不全における入院を統計学的有意に減らす事が出来るのは、ハードよりのアウトカムと見ても良いのかもしれません。