お薬のこと

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ダパグリフロジンは2型糖尿病の人の心房細動・心房粗動の初発を防げますか? PMID:31983236

DECLARE-TIMI 58
PMID:31983236
Circulation. 2020 Apr 14;141(15):1227-1234.
【論文のPECO】
P:動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)あり2型DM or ASCVDリスクあり2型DM
E:ダパグリフロジン服用 N=
C:プラセボ
O:初発AF/AFLの発生率
T:ランダム化,プラセボ対照,多施設のpost hoc解析
【結果】
1st 
7.8%vs9.6%/1000人年 HR:0.81(0.68-0.95) P=0.009

AF/AFL歴あり HR:0.79(0.58-1.09)
AF/AFL歴なし HR:0.81(0.67-0.98)
P interaction =0.89

HF歴あり HR:0.78(0.55-1.11)
HF歴なし HR:0.81(0.68-0.97)
P interaction =0.88

SBP<135  HR:0.91(0.71-1.16)
SBP≧135 HR:0.73(0.59-0.91)
P interaction =0.20

HbA1c<8% HR:0.77(0.61-0.96)
HbA1c≧8% HR:0.85(0.67-1.07)
P interaction =0.54

【コメント】
ダパグリフロジンは、2型糖尿病におけるAF/AFLの発生率を18%減らした。
またベースライン時の過去のAF/AFL歴の有無やHF歴の有無、SBP、HbA1cなどの各背景による影響は少ないようであった。

AF:心房細動
AFL:心房粗動
SBP:収縮期血圧
HF:心不全
ASCVD:動脈硬化性心血管疾患