JAMA Intern Med. 2025 Jan 21. PMID: 39836397
【リンク】
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39836397/
【論文のPICO】
対象者 | SGLT-2阻害薬を服用している患者 |
介入 | エンパグリフロジン |
比較 | カナグリフロジン、ダパグリフロジン |
評価項目 | 複合(心筋梗塞、脳卒中)心不全入院 |
2次アウトカム;
試験デザイン:TTE(target trial emulation)
【結果】
カナグリフロジン:232890人
ダパグリフロジン:129881人
エンパグリフロジン:295043人
MI/stroke | ハザード比 | 95%信頼区間 |
vsカナグリフロジン | 0.98 | 0.91-1.05 |
vsダパグリフロジン | 0.95 | 0.89-1.03 |
心不全入院 | ハザード比 | 95%信頼区間 |
vsダパグリフロジン5㎎ | 1.30 | 1.12-1.50 |
AE
性器感染症 vsカナグリフロジン HR:0.94(0.91-0.97)
重度の尿路感染症 HR:1.13(1.03-1.24)
vsダパグリフロジン 性器感染症 HR:0.92(0.89-0.95)、DKA HR:0.78(0.68-0.90)
【コメント】
アブストのみである。
本研究の試験デザインは、TTE(target trial emulation)という観察研究を集めてRCTを模倣して因果推論を行う手法である。
1次アウトカム評価では3剤のリスクは同等であった。
また心不全入院はダパグリフロジン5㎎が有意に高い傾向にあった。
性器感染症はダパグリフロジンが有意に減少した。
以上の事から、3剤の内投与計画を立てる段階では、どれを選択しても心血管リスク(今回はMI/stroke)を減らす目的としては達成する可能性が高いと考えられる。しかし、尿路感染症などトラブルがあれば、ダパグリフロジン以外を使っていればこちらに変更する提案を行っても良いかもしれない。