お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

HPVワクチン(4価)はどのくらいの子宮頸がん発生を抑制しますか?

HPV Vaccination and the Risk of Invasive Cervical Cancer
N Engl J Med 2020; 383:1340-1348
DOI: 10.1056/NEJMoa1917338
【論文のPECO】
P:10-30歳の女性 N=1672983
E:4価HPVワクチン接種 N=527871
C:接種していない人 N=1145112
O:子宮頸がん発生率
【結果】
E群:47例/10万人 C群:94例/10万人
年齢調整未調節発生率比:0.51(95%CI:0.32-0.82)
年齢調整後発生率比:0.37(0.21-0.57)
NNT≒23 

17歳前に予防接種:0.12(0.00-0.34)
17-30歳で予防接種:0.47(0.27-0.75)
20歳前に予防接種:0.36(0.18-0.61)
20-30歳で予防接種:0.38(0.12-0.72)
【コメント】
今までは、子宮頸前がんの予防の報告はあったが、子宮頸がんも抑制を示した報告であった。
ワクチンを接種をすることで、主に17歳以前に接種することで抑制することが出来る可能性があることが示された。
今回使用されたワクチンは4価であったので、最近日本でも承認された9価だったらどの位抑制の結果が出るのか、追って結果を待ちたい。

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