お薬のこと

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リアルデータワールドによる分析では、ワルファリンvsDOACで胃腸出血と脳卒中リスクはどちらが多いですか? PMID:31035795

PMID:31035795
J Cardiovasc Pharmacol Ther. 2019 Sep;24(5):428-434.
P:抗凝固療法を受けたAF患者 N=2362
E:DOAC使用(44.7%)
C:ワルファリン使用(55.3%)
O:胃腸出血、虚血性脳卒中の発生率
T:リアルワールドアナリシス(コホート
【結果】
胃腸出血:OR:0.91(0.62-1.35)P=0.66
脳卒中:OR:0.77(0.57-1.05)P=0.10
CHA2DS2VAScスコアが3以上:DOAC<ワルファリン P<0.001
【コメント】
胃腸出血、脳卒中のリスクともにワルファリンと変わりはなかった。
スコアが3以上の場合はワルファリンが選択されることが多いようであるが、要因はアブストラクトのみでは不明
どちらでも出血リスク等が変わらないということは、従来通りどちらも出血と血栓リスクのモニタリングに注意するべき点はこれまでと同様と見える。