お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

DOACを服用している患者の薬物間相互作用は出血リスクを高めますか? PMID:32823239

PMID:32823239
Thromb Res. 2020 Aug 3;195:243-249.
①The increased risk of bleeding due to drug-drug interactions in patients administered direct oral anticoagulants
DOI:https : //doi.org/10.1016/j.thromres.2020.07.054
②The Increasing Bleeding Risk from Drug-drug Interactions in Patients with Direct Oral Anticoagulants
【論文のPECO】
P:VTE、AF既往ありの患者 N=115362
E:DDI(薬物相互作用のある薬)+DOAC
C:DDIのみ
O:出血
【結果】
全出血:N=7001 6.1%
DOACあり N=2283 2.0%
CHA2DS2-VAScスコア4以上:OR:2.35(95%:1.86-2.97)P<0.0001
2種類以上の処方があるDDIの数…OR:3.37(3.36-4.15)P<0.000
NSAIDや抗血小板薬、ジルチアゼム、アミオダロンが多く併用されていた
【コメント】
DOACと薬物相互作用のある薬との併用で出血リスクが高まることは確かの様。
アブストのみの為どの薬剤がどの位リスクが高まるか不明であるが、DOACが単独で処方されるケースはほとんどないと考えられるので、常に相互作用における出血リスクについては念頭に置くべきだろう。
特にお薬手帳との関連で整形外科など他科の併用薬は注意してモニタリングが必要であろうと考えられる。