お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

耐糖能異常のある人に食事や運動療法は、糖尿病発生を遅らせますか? PMID:31036503

PMID:31036503
Lancet Diabetes Endocrinol. 2019 Jun;7(6):452-461.
P:耐糖能障害のある患者 平均44-46歳 BMI26  N=577 
E:①食事②運動③食事と運動 N=438
C:対照群? N=138
O:30年後の糖尿病の罹患率と全死亡率
T:30年 無作為
【結果】
DM発生率:HR 0.61(0.45-0.83)P=0.0015
CVDイベント発生率:HR 0.74 (0.59-0.92) P=0.0060
脳卒中:HR 0.75(0.59-0.92) P=0.024
CHD:HR 0.73(0.59-0.96) P=0.079
HF:HR 0.71(0.48-1.04) P=0.081
CVD死率:HR 0.67 (0.48-0.94) P=0.022
全死亡率:HR 0.74 (0.61-0.89) P=0.0015
微小血管合併症:HR 0.65 (0.45-0.95) P=0.025
<発症年数>
糖尿病発症:3.96年(1.25-6.67)P=0.0042
CVD Events:4·64年(1.05-8.22)P=0·011 NNT=9 (5-36)
平均余命:1.44年(0.20-2.68)P=0.023
【コメント】
耐糖能異常のある人に対してライフスタイルの介入が糖尿病の発生を遅らせる事が出来るか見た試験である。
糖尿病の罹患は心血管イベントなどに影響することから、介入によってその発生率を減らすことに繋がり、死亡率を減らすこと、余命の延長に繋がったと考えられる。
食事療法、運動療法、食事+運動療法の3群では有意差は見られなかった。

f:id:nitrotake8:20200809220830j:plain

文献より、筆者作成