お薬のこと

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駆出率の下がった心不全にSGLT2阻害薬を含めた併用群は有効ですか? PMID: 32446323

PMID: 32446323
Lancet. 2020 May 21;S0140-6736(20)30748-0.
P:駆出率の下がった心不全患者
E:(ARNI、βブロッカー、MRA、SGLT2阻害剤)4剤治療群
C:(ACE阻害剤またはARBおよびβブロッカー)従来治療群
O:心血管死or心不全のための最初の入院の複合の発生率
【結果】
1次アウトカム HR 0.38 (0.30-0.47)
心血管:HR 0.50(0.37-0.67)
心不全入院:HR 0.32(0.24-0.43)
全死亡:HR 0.53(0.40-0.70)
EMPHASIS-HF(n = 2737)、PARADIGM-HF(n = 8399)、およびDAPA-HF(n = 4744)の3つの重要な試験の比較
【コメント】
アブストラクトのみ。
3つの試験を比較して解析をしているのか、3つの試験も含めているのかはっきりは分からないが、SGLT2阻害薬も含めた新しい心不全治療がイベントを抑えることが出来るかもしれない。
今回の解析では、複合アウトカムだけでなく個々のアウトカムでも改善が見られている点からも期待できる可能性はある。
これからSGLT2阻害薬を比較に組んだ試験が多く出てくると思われるので、追っていきたい。