お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

非糖尿病者HFrEFに対してのダパグリフロジンは安全ですか? PMID:33175585

EMPEROR-Reduced

Anker SD,et al.Circulation. 2021 Jan 26;143(4):337-349. PMID:33175585
P:HFrEF N=3730 (非DM:1874、DM:1856)
E:エンパグリフロジン(10㎎/日)
C:プラセボ
O:CVD死+心不全入院
【結果】
ALL:HR:0.75(0.65-0.86)
DM(+):HR:0.72(0.60-0.87)
DM(-):HR:0.78(0.64-0.97)
DMありなしの比較→P=0.57

<HF入院>
ALL:HR:0.69(0.59-0.81)
DM(+):HR:0.67(0.54-0.83)
DM(-):HR:0.72(0.56-0.93)

<CVD死>
ALL:HR:0.92(0.75-1.12)
DM(+):HR:0.92(0.71-1.20)
DM(-):HR:0.92(0.68-1.24)

平均HbA1c:糖尿病患者7.4±1.6%、前糖尿病患者5.9±0.2%、正常血糖患者5.3±0.3%
【コメント】
糖尿病治療のみHbA1cを下げる効果はあったが、糖尿病の無い人(正常血糖値)に対してのダパグリフロジンはHbA1c変化をほぼ起こさ無かった。
(P=0.033)また、低血糖の報告を見てみると、糖尿病群の方が発生率は多い。(比較による有意差はないようだが)
もしかしたら、非糖尿病者のHFrEFに対してダパグリフロジンで治療をする場合はHbA1c変化を気にせずに使用することが出来るのかもしれない。