Li T,Cardiovasc Diabetol. 2021 Jan 30;20(1):30.PMID:33516224
【論文のPECO】
P:2型糖尿病 18歳以上 29件
E:①メトホルミンで治療、②メトホルミンを含むレジメン
C:①未治療、②メトホルミンを含まないレジメン
O:全死亡率、CVD死亡率
・評価者バイアス:2人で評価(矛盾がある場合は、第三のレビューア)
・出版バイアス:ファンネルプロットは左右対称?、本文中に出版バイアスなしと記載あり
・元論文バイアス:
Risk of bias:選択bias→ランダム化OK、(割付の)選択bias→募集~介入まで隠蔽OK、実行bias→blindされていない可能性あり、測定bias→アウトカム評価はブラインドOK、症例減少bias→ITTが一部出来てない、報告bias→不都合な報告隠蔽の可能性少ない
統合的に見ると:僅かにbiasがかかっている可能性が高いSR/メタ分析
・異質性バイアス:全死亡=I2:34.1% 心血管死亡=I2:70.78%
検索:Cochrane、PROSPERO、Joanna Briggs Institute (JBI)、INPLASY データベース
【結果】
・全死亡率 RR:0.98(0.69-1.38)P=0.90 I2=34.10%
メトホルミン含むレジメン:RR:1.49(1.02-2.16) I2=0%
>1000mg 0.92(0.22-3.77) 5件
<1000mg 0.34(0.04-3.23) 2件
新規診断 1.00(0.45-2.22) 2件
既往診断 0.99(0.76-1.29) 12件
・心血管死亡率 RR:1.13(0.60-2.15)P=0.95 I2=70.78%/
メトホルミンを含むレジメン:RR:2.21(1.22-4.00) I2=0%
・大血管イベント RR:0.87(0.70-1.07)P=0.19 I2=7.14%
【コメント】
未治療と比較してメトホルミン単独は、全死亡率が変わりないと見るか、死亡率を増やさないと見るか解釈はそれぞれだろう。それよりも併用療法の方は、他の経口血糖降下薬と併用していると全死亡率が増える可能性があるが、試験を統合している中でUKPDSのウエイトが大きいため、UKPDSの結果に引っ張られている可能性がある。
また、心血管死亡率は異質性が高いため過大評価に注意が必要かもしれない。