お薬のこと

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入院患者の処方を再評価することで、死亡率は下がりますか? PMID: 36688482

Cochrane Database Syst Rev. 2023 Jan 23;1(1):CD008986.PMID: 36688482

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36688482/

【論文のPECO】
P:成人入院患者
E:処方の見直しをする
C:しない
O:全死因死亡率、再入院、救急部門への連絡、健康関連のQOLへの影響
【結果】
死亡率 RR:0.96(0.87-1.05)
再入院 RR:0.93(0.89-0.98)
救急受診 RR:0.84(0.68-1.03)
【コメント】
abstract のみだが、処方の見直しや再評価を行うことで、再入院や救急受診を統計学的に減らせる可能性が示された。 
また、死亡率については、有意ではなかったが減少傾向にあることも示された。
この集団は、高齢者の多剤併用(ポリファーマシー)含まれているようで、その再評価に結果が影響されている可能性はある。日本ではポリファーマシーと言われる処方の方が多い為、この処方を見直しすることで、再入院が減るのであれば、積極的な見直しをしていくべきかもしれない。 しかし、この集団は入院患者であるため、外来患者の処方の見直し、再評価はどのように影響を及ぼすのか、今後の研究結果を待たれたい。