お薬のこと

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スタチン不耐症の患者に対するベンペド酸は、1次予防効果を示しますか?PMID: 37354546

Nissen SE,et al. JAMA. 2023 Jun 24. PMID: 37354546.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37354546/


【論文のPECO】
P:心血管イベントの無いスタチン不耐症 n=4206
E:ベンペド酸(bempedoic acid)180mg/日 n=2100
C:プラセボ n=2106
O:複合アウトカム(心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、冠状動脈血行再建術)
【結果】
5.3% vs 7.6% HR:0.70(0.55-0.89) P=0.002
心血管死+MI+脳卒中 HR:0.64(0.48-0.84)
MI HR:0.61(0.39-0.98)
心血管死 HR:0.61(0.41-0.92)
全死亡率 HR:0.73(0.54-0.98)
【コメント】
1次予防に対するベンペド酸(bempedoic acid)による効果は有意にリスクを下げる傾向にあることが分かった。
主要評価項目は複合であったが、サブ評価項目の各項目においてもリスクを下げる傾向がみられた。
アデノシン3リン酸クエン酸リアーゼを標的とする薬剤であり、スタチンの標的よりも前段階がターゲットである。
ただ、アブストラクトしか読めないため、詳細は不明である。