J Sex Med. 2021 Aug;18(8):1354-1363.PMID: 34247952
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34247952/
E:抗うつ薬あり
C:なし
O:性機能障害に差はあるか?
T:5週間以上
システマッティクレビュー、41件
【結果】
性機能障害:OR:1.89(1.40-2.56) I2=0%
射精障害:OR:7.31(4.38-12.20) I2=0%
勃起不全:OR:2.28(1.31-3.97)I 2=5%
勃起不全の頻度 SSRI<SNRI
SSRI OR:1.25(0.63-2.46) I2=4%
SNRI OR:6.96(2.68-18.08) I2=0%
【コメント】
抗うつ薬や抗精神病薬、向精神薬などは、性機能障害の副作用が生じる可能性があります。今回は、男性の性機能障害に焦点を当ててレビューが行われました。
様々な先行研究でも、SSRIによる勃起不全のリスクなどについて報告がありますが、改めて抗うつ薬全体での評価がされました。
結果として、勃起不全を始めとする評価された3つの性機能障害のリスクが有意に高まる可能性が示されました。
特に、勃起不全の頻度が SSRI<SNRI であったことは、(私の中での)新たな知見でした。
意見交換の中で頂いたコメントでは、「抗うつ薬は外界からの刺激を減らす(鈍らせる)」といった視点を活用すれば、性的刺激による勃起力や興奮の鈍化、それを活かした早漏の改善という方面で有効なのかもしれません。
ただし、SSRIの早漏に対する使用は言わずもがな適応外です。
また、本文は見れませんでしたが、
早漏に対するSSRI使用への警鐘 : Dark Side of SSRI 日本性機能学会雑誌 24(1): 93-94 2009
というものがあるそうなので、ご興味のある方は読んでみても良いかもしれません。