お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

COVID-19への感染と勃起不全との関係性?

Kevin J. Hebert et al. Prior COVID-19 infection associated with increased risk of newly diagnosed erectile dysfunction.Int J Impot Res (2023). 
DOI https://doi.org/10.1038/s41443-023-00687-4

www.nature.com


【論文のPECO】
P:IBM MarketScan のデータベースに載っている人
E:COVID-19感染あり
C:感染なし
O:勃起不全発生率
【結果】
1.4%vs1.1%
HR:1.27(1.1-1.5) P=0.002
DM HR:1.34 1歳上がるごとにHR:1.05
BMI25-30 HR:1.27
精力減退 HR:2.04
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糖尿病 (COVID-19 14.7%; コントロール 11.5%)、
高脂血症 (COVID-19 39.3%; コントロール 35.5%)
高血圧 ( COVID-19 35.5%; コントロール 30.6%)
性腺機能低下症 (COVID-19 6.6%; コントロール 4.9%)
【コメント】
高血圧や高コレステロール血症など勃起不全リスクと関連のある集団がCOVID-19感染をすると、より勃起不全の発生率が高くなる傾向があるようです。 また、比較的若い世代が中央値でした。

さらに今回は、スコア(IIEF-5)など明確な診断基準などを利用した評価(主要評価項目)ではなく、 IBM MarketScan のデータベースに載っている集団で勃起不全と診断された集団が抽出されているのが特徴的かと思われる。

※先行研究では、IIEF-5:国際勃起機能指数 の低下が小規模コホートで傾向として見られた。


勃起不全の発生は、心筋梗塞など心血管イベントの指標としても用いられるので、定期的な自己チェックがより重要となってくるでしょう。