お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

糖尿病でない肥満の人に、セマグルチド皮下注は体重変化があるか? PMID: 35015037

STEP8
Rubino DM,et al.JAMA. 2022 Jan 11;327(2):138-150.PMID: 35015037
P:肥満 N=338 平均年齢49歳 平均体重104.5㎏ BMI37.5
E:セマグルチド皮下注 N=126
C:①リラグルチド皮下注 N=127
C:②プラセボ
O:体重変化、体重減少達成率
【結果】
体重変化:(vsリラグルチド )-15.8% vs -6.4% 差:-9.4%(-12.0 to -6.8)P<0.001
10%以上の体重減少達成率 70.9% vs 25.6% OR:6.3(3.5-11.2)
15%以上の体重減少達成率 55.6% vs 12.0% OR:7.9(4.1-15.4)
20%以上の体重減少達成率 38.5% vs 6.0% OR:8.2(3.5-19.1)
胃腸障害:84.1% vs 82.7%
【コメント】
セマグルチドの方が、体重減少を達成しやすいことがわかった。
しかし平均体重が104.5㎏、平均BMI37.5 と日本人対象では当てはまる患者が少ないのではないだろうか。 つまりこの試験は外的妥当性が低い結果だろう。
またGLP-1という特性上、胃腸障害が起こりやすい点についてはフォローアップ時に注意喚起が必要と読み取れる。