お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

低用量ピル(LEP≒OC≒COC)の心筋梗塞や虚血性脳卒中のリスクについて メタ分析 PMID: 26310586

Roach RE,et al.Cochrane Database Syst Rev. 2015 Aug 27;2015(8):CD011054.PMID: 26310586
【論文のPECO】
P:18-50歳の女性 
E:COC(LEP)使用
C:COC(LEP)未使用
O:複合アウトカム(心筋梗塞、虚血性脳卒中
評価者バイアス:独立した2人で評価
出版バイアス::言語制限なし
元論文バイアス: 観察研究のメタ分析
異質性バイアス:I2=78%
【結果】
複合アウトカム RR:1.6(1.3-1.9) I2=78.3% 24試験
心筋梗塞 RR:1.6(1.2-2.1)
虚血性脳卒中 RR:1.7(1.5-1.9)
<卵胞ホルモン世代別>
第1世代 RR:1.2(0.8-1.9) I2=69.4% 7試験
第2世代 RR:1.1(0.8-1.7) I2=82.0% 8試験
第3世代 RR:1.1(0.7-1.7) I2=79.9% 6試験
<黄体ホルモン量別>
20μg RR:1.6(1.4-1.8) I2=0% 2試験
30-49μg RR:2.0(1.4-3.0) I2=50.4% 2試験
>49μg RR:2.4(1.8-3.3) I2=29.6% 7試験
【コメント】
メインの結果について、異質性が高いが観察研究の為なのか、薬剤がそれぞれ異なるためか不明
卵胞ホルモンの世代間では世代間での大きなリスクの違いは見られなかったが、黄体ホルモン量の違いでは多い方がリスクが高くなることが分かった。
世代間の使い分けでは、血栓リスクをそこまで気にしなくても良いのかもしれない。