PMID:27299617 JAMA. 2016 Jun 14;315(22):2415-23.
【論文のPECO】
P:非がん性疼痛 平均年齢48歳 女性60% N=155,191
E:長時間型オピオイド N=23,308 (モルヒネ オキシコドン フェンタニル皮 メタドン)
C:対照薬(鎮痛性抗けいれん薬または低用量環状抗うつ薬)N=131,883 (ガバペンチン プレガバリン カルバマゼピン アミトリプチン ドキセビン ノルトリプチン他)
O:死亡率
【結果】E群:N=185 C群:N=87
総死亡率HR 1.64(95%CI 1.26-2.12)リスク差:68.5/10000人年(95%CI、28.2-120.7)①非意図的過剰摂取による死亡:34(30.7%) vs 7(8.7%) HR 3.37(1.47–7.70)
②その他の死因:120(108.4%/1000人年) vs 53(65.7%/1000人年) HR 1.72(1.24–2.39)(Ⅰ)心血管死亡:79(71.4%)vs 36(44.6%) HR 1.65(1.10–2.46)
(Ⅱ)呼吸器死亡:10(9.0%) vs 3(3.7%) HR 3.00(0.81–11.09)
モルヒネ低用量(<60㎎)死亡率→HR 1.54(1.01-2.34)
モルヒネ高用量(>60㎎)死亡率→HR 1.94(1.40–2.70)
【コメント】長時間作用型オピオイドを使用することで、死亡率が高くなることが分かった。特に院外死で、非過剰摂取以外が死亡原因のものが約80%あった。 その内、心血管死亡によるものが特に多い。つまり今結果においては、長時間作用型オピオイドの摂取による死亡増加は、過剰摂取に限定したものではないと考えられます。非がん性慢性疼痛でオピオイドを使用している患者フォローを行う場合、過剰摂取ばかりではなく心血管リスクについてもアセスメントする必要性があると考えられる。