ウルソの事を調べていたら、NASHこと非アルコール性脂肪肝炎にたどり着きました。
そういえば国試の勉強でもちらっとしか触れていないなと思い出し、治療法って何だろう。。。
そう思い、まずはガイドライン検索
「NAFLD/NASHガイドライン20014」がヒット
治療法を見てみると、ビタミンEがエビデンスレベルA、UDCA(ウルソ)がエビデンスレベルB、チアゾリジン系誘導体(ピオグリダゾン)がエビデンスレベルA
あれ?ここでもまたピオグリダゾン出てくるんですね
そしてビタミンEが意外な存在でした。本当にそうなんでしょうか?
少し疑問が湧いてきたので論文を検索。
Pioglitazone, vitamin E, or placebo for nonalcoholic steatohepatitis.
PMID:20427778
Pioglitazone, vitamin E, or placebo for nonalcoholic steatohepatitis. - PubMed - NCBI
【論文のPECO】
P:平均年齢46.3歳の2型糖尿病ではない非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を患っている人(n=247人)
E:①ビタミンE(800IU/日)を投与する場合と ②ピオグリダゾン(30mg/日)を投与する場合と
C:しない場合では(プラセボと比べて)
O:肝臓の組織学的改善はしますか?
ランダム化されているかーされている
1次アウトカムは明確化かー明確である
真のアウトカムかー 真のアウトカム(ココ少し自信がありません)
盲検化されているかー二重盲検化されている
ITT解析されているかーされている
追跡率ー全員追跡とみられる(Figure1を見ると各薬剤最後まで追っているよう)
【結果】
Bonferroni法でP値0.00250.025未満を有意差とした
0.05(有意水準)/2(検定数)=0.025
<primary outocome>
プラセボ:ビタミンE=19%:43% (P=0.001)NNT=4.2
プラセボ:ピオグリダゾン=19%:34% (P=0.04)NNT=6.9
【感想】
主要なアウトカムだけ書き出してみました。
この結果では確かにビタミンEは有意差が出ています。
NASHの原因に酸化ストレスによって線維化が進むということがあるそうなので、抗酸化作用を狙ったと言ったところでしょうか
ユベラ®ってこういうところにも使われていたんですね。
脂溶性ビタミンのためいくらビタミン製剤でも投与しとけば良いという考えにはなうりませんが、こういった有意差のある結果がエビデンスがあるならば、積極的に使用しても良いと思います。
ちなみにこういう論文もありました。
NASHにウルソデオキシコール酸(UDCA)+ビタミンE
Randomized placebo-controlled trial of ursodeoxycholic acid with vitamin e in nonalcoholic steatohepatitis.
PMID:17162245
時間があれば読んでみます。