お薬のこと

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SGLT-2阻害薬は、2型糖尿病患者さんの腎結石リスクを下げられますか? PMID: 38285598

JAMA Intern Med. 2024 Jan 29:e237660. PMID: 38285598

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38285598/

【論文のPECO】
P:2型糖尿病
E:SGLT-2i
C:①DPP4i/②GLP-1RA
O:腎結石の発生率
【結果】
①14.9 vs 21.3event  HR:0.69(0.67-0.72)
RD(発生率の差):-6.4(-7.1 to -5.7)
②14.6 vs 19.9event HR:0.74(0.71-0.77)
RD:-5.3(-6.0 to -4.6)
 70歳未満 vs 70歳以上 HR:0.85(0.79-0.91)RD:-3.46(-4.87 to -2.05)
【コメント】
SGLT2-i の使用が腎結石の発症リスクを下げる可能性が示唆された。
先行研究として PMID: 36349594 があり、こういった研究の結果が臨床的にも効果を示す可能性が見いだされたと考えられる。
治療に使うよりは、発症リスクの高い糖尿病患者において、僅かでもリスクを下げることが出来れば、結石による疼痛を避けることが出来、QOL向上に繋がる可能性を考えることが出来そうである。

参考:東北大学 2022年プレスリリース

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