お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

ジエノゲスト錠の0.5㎎錠と1㎎錠の違いって何ですか?

ジエノゲストの新規格の違いって何なのでしょうか?

よくわかっていないかったので調べてみました。

 

0.5mg:【適応】月経困難症
1㎎:【適応】子宮内膜症(2007年)、子宮腺筋症に伴う疼痛の改善(2016年)

 

1㎎と比べて更年期症状は少ないため、1㎎で更年期症状が出た人には0.5㎎への変更されるケースもある様ですが、明確なエビデンスは見つかりませんでした。

0.5㎎錠つまり、1㎎/日での効果として「原発性、続発性共に月経困難症の痛みを和らげることが出来た」PMID:32192595

ジエノゲストはエストロゲンが含まれていない→黄体ホルモンのみ→血栓リスクが少ない。1㎎/日(0.5㎎錠)で低用量ピル同等の効果が示されようやく発売されたホルモン製剤

 

ベースラインからの月経困難症の症状改善はプラセボに比べて0.5㎎/日(P=0.003)、1㎎/日(P<0.001)、2mg/日(P<0.001)ともに有意に改善がみられた。
出血日数:0.5 mg / d:28.0±17.0日、 1 mg/日:23.7±17.6日、 2 mg/日:33.2±23.9日
PMID:31727415

 

【学んだ結果】
効果は1㎎/日と2㎎/日で殆ど変わりは無いが、出血日数に2mg/日群の若干の延長がみられた。また更年期症状の多さも懸念されている。
今まで血栓リスクがあり年齢や喫煙、疾患により低用量ピルを使用できなかった月経痛の患者さんにもこのジエノゲストで治療が可能となり、骨粗鬆症などの懸念無く月経困難症に対して使用認可されたことは、若い女性の選択の幅、治療の幅を広げることが出来る可能性がある。