お薬のこと

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PCIをした後のDAPT療法は何カ月続ければいいですか? PMID: 25781440

Antiplatelet therapy duration following bare metal or drug-eluting coronary stents: the dual antiplatelet therapy randomized clinical trial.
PMID: 25781440
【論文のPECO】
P:N=11648 ステント留置後にDAPTが予定されている人 18歳以上
E:DAPT(=チエノピリジンアスピリン) BMS=842人 DES=5020人
C:プラセボ(=プラセボアスピリン) BMS=845人 DES=4941人
O:ステント血栓率、MACCE(総死亡, MI,脳卒中など)率
【結果】
ステント血栓症
0.41 vs 1.32 HR:0.31(0.19 to 0.50)P<0.001
総死亡率
1.87% vs 1.50% HR:1.31(0.97 to 1.75) p=0.07
MACCE
4.29% vs 5.74% HR:0.73(0.62 to 0.87)P<0.001


P:BMS後12カ月(1年)後の人達
E:(DAPT=チエノピリジンアスピリン)チエノピリジン(12カ月+18ヶ月=30カ月) N=842
C:(プラセボアスピリンプラセボ(DAPT12ヶ月後+プラセボ18ヶ月) N=845
O:ステント血栓率、MACCE(総死亡, MI,脳卒中など)率
【結果】
ステント血栓率:HR:0.49 (0.15 to 1.64) P=0.24
MACCE率:HR:0.92 (0.57 to 1.47) P=0.72

BMS=ベアメタルステント(金属性ステント)

DES=薬剤溶出ステント

DAPT=2重抗血小板療法

 

【結果】
BMSを使用した群で30カ月と12カ月に血栓やMACCE差は無かった。
しかし、DESを使った群では30カ月DAPTした群のほうが有意にイベントが減少した。
血栓 (0.4%対1.4% HR:0.29(95%CI 0.17-0.48))
MACCE (2.0%対1.5% HR 0.71(95%CI 0.59-0.85)) 

BMSなら患者負担等考慮して12カ月でもいいのかもしれないが、DESならば30カ月の方が良いかも。

この結果だけでDAPTの期間を判定をするのは厳しく、今回BMSのサンプルサイズ(母数)がDESに比べると少ないのは、結果に影響を与えている可能性もあるので、他の文献結果も併せて判断するのが良いだろう。