Rate or Rhythm Control in Older Atrial Fibrillation Patients: Risk of Fall-Related Injuries and Syncope.
J Am Geriatr Soc. 2019 Jul 24
PMID: 31339174
P:65歳以上のAFの合計100935人の患者 年齢の中央値は78歳
E/C:レートコントロール薬単剤
レートコントロール薬2種類
抗不整脈薬単剤
レートコントロール薬+抗不整脈薬
レートコントロール薬→β遮断薬、ジルチアゼム、ベラパミル、ジゴキシン
抗不整脈薬→フレカイニド、プロパフェノン、アミオダロン
O:複合エンドポイント(失神と転倒に関連した負傷でどちらか早い方)
追跡中央値2.1年、後ろ向きコホート
【結果】
17132(17.0%)が転倒関連の傷害を経験 (転倒に関連した負傷の患者のうち、ほとんどが脆弱骨折であり n = 10 429 [60.9%])
5745(5.7%が失神を経験、
21093(20.9%)が転倒と失神のどちらかを経験
<複合エンドポイント>
レート単独vsレート2種類 0.90(0.87 to 0.93)
レート単独vs抗不整脈薬 1.29(1.17 to 1.43)
レート単独vs抗不整脈薬+レート薬 1.46 (1.34 to 1.58)
<転倒関連>
レート単独vsレート2種類 0.90(0.87 to 0.94)
レート単独vs抗不整脈薬 1.27(1.13 to 1.41)
レート単独vs抗不整脈薬+レート薬 1.36(1.24 to 1.50)
<失神>
レート単独vsレート2種類 0.91(0.85 to 0.98)
レート単独vs抗不整脈薬 1.44(1.22 to 1.71)
レート単独vs抗不整脈薬+レート薬 1.74(1.51 to 1.99)
<アミオダロン>
転倒関連:1.39(1.23 to 1.56)
失神:1.48(1.23 to 1.77)
<期間でみた転・失神による傷害リスク>
レートコントロール薬単独の14日以内:1.65(1.56 to 1.75)
抗不整脈薬単独の14日以内:2.33(1.87 to 2.91)
【感想】
こっちのサイトで全文見れる(2019.9.3現在)
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/jgs.16062
レートコントロール薬は、転倒と失神どちらも増やす。その内失神の方が起こりやすい。
投与期間で見ると、抗不整脈薬の開始14日以内が(今回の比較の中で)一番転倒などのリスクが高かった。
もちろん、レートコントロール薬単独も開始14日以内が高いため、服薬初期の2週間はアフターフォローが必要である。
次の薬機法改定案の目玉でもある、「服用後フォロー」で積極的に介入する必要性を感じられた結果だった。