お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

抗精神病薬における体重などの影響について PMID: 31860457

Lancet Psychiatry. 2020 Jan;7(1):64-77. PMID: 31860457

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31860457/


【論文のPECO】
P:統合失調症の治療を受けている患者  n=25952
E:抗精神病薬
C:プラセボ
O:体重(kg)、BMI、総コレステロール、LDL、HDL、TG、血糖値変化
・100件のRCTのメタ解析
【結果】 体重のみ掲載
ハロペリドール -0.23(-0.83 to 0.36)
アリピプラゾール 0.34(-0.16 to 0.84)
ルラシドン 0.48(-0.01 to 0.97)
ブレクスピプラゾール 0.88(0.06 to 1.69)
リスペリドン 1.28(0.98 to 1.59)
パリペリドン 
クエチアピン 1.56(1.09 to 2.04)
オランザピン 2.73(2.38 to 3.07)
ゾピテン 2.80(1.07 to 4.53)
クロザピン 3.01(1.78 to 4.24)
【コメント】
過去にも薬剤間における体重増加の違いは幾つか報告されている (PMID:18053689)(PMID:25210417 )。
その中で定型抗精神病薬は体重増加リスクは少ないが錐体外路リスクが大きく、非定型抗精神病薬はその逆の傾向があると言われており、本研究結果でも似た傾向がある事が分かる。 このリスクに対する対応方法(予防など)の模索が必要だろう。