お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

過活動膀胱が改善すると性生活も改善するの? PMID: 17132474.

Am J Obstet Gynecol. 2006 Dec;195(6):1730-5. PMID: 17132474.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17132474/

【論文のPECO】
P:過活動膀胱
E:オキシブチニン+患者教育資料
C:オキシブチニン単独
O:性交への興味の消失、パートナーとの関係性、性生活への影響、、恥ずかしさ、性交尿失禁、膀胱痛、頻尿回数
T:非盲検、無作為、前向き
【結果】
OABがパートナーとの関係に影響を与えたと回答:全体の24.4%
2330人中828人(35.5%)が恥ずかしさを改善し、251人(11.1%)のみが悪化した(P < .0001)
恥ずかしさ:改善 35.5% vs 悪化:11.1%  P < .0001
性生活への影響:改善 19.1% vs 悪化:11.2% P<0.0001
パートナーとの関係性 改善:19.6% vs 悪化:11.9% P<0.0001
セックスへの関心が高まったと回答 23.4% vs 12.2% P < 0.0001
【コメント】
オキシブチニンが過活動膀胱に効果があるという前提のもとに行われている。
過活動膀胱は、性生活を含む日常生活に支障をきたすことが示されています。ただ、それが性的活動にどう影響するのかというリサーチクエスチョンに基づいた研究です。
結果的にオキシブチニンによる過活動膀胱の症状の改善が、性生活をより豊かなものにしてくれる可能性が示された。
性交中の尿失禁が改善されたことで、恥ずかしさの改善や性生活への改善に影響をもたらした可能性がある。
実際にパートナーとの関係性は統計学的に改善をしているので、過活動膀胱を治療する目的の1つとして立てても良いのかもしれない。

 

参考:

Coyne KS,et al.Value Health. 2004 Jul-Aug;7(4):455-63.PMID: 15449637

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15449637/

Temml C,et al.Neurourol Urodyn. 2000;19(3):259-71.PMID: 10797583

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10797583/