お薬のこと

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アルコールの摂取と開放隅角緑内障には影響がありますか? システマティックレビュー&メタ分析 PMID: 35101531

Ophthalmology. 2022 Jun;129(6):637-652.  PMID: 35101531

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35101531/

【論文のPECO】
P:開放隅角緑内障(OAG)の検査をした人
E:アルコール摂取あり
C:なし
O:開放隅角緑内障の頻度、眼圧への影響
・SR&MA、
PubMed、Embase、Scopus
・11件の研究を解析
・reviewer:2名
・ファンネルプロット-非対称(原発性-対称、続発性-非対称)
【結果】
原発性開放性隅角緑内障 1.18(95%CI,1.01–1.38)P=0.73 I2 = 0.0%
続発性開放性隅角緑内障 1.22(95%CI,0.91–1.63)P=0.01 I2 = 74.9%
全体 1.18(95%CI,1.02-1.36)P=0.08 I2=40.5%
【背景】
現在、IOP(眼圧) は依然として POAG(偶発性開放隅角緑内障) の主要な修正可能な危険因子ですが、既存の治療を補完したり、疾患の病因を明らかにする可能性のある他の因子を特定することに多く関心が寄せられています。
その中で、アルコールの摂取(飲酒)は、眼圧に対する影響が知られています。一時的には低下するが、慢性的な飲酒と眼圧の関係性については幾つかの先行研究が行われているが、一貫した研究結果は得られていない。またそれらを探求したシステマティックレビューやメタ分析は行われていないため、調査・分析を行った。
【コメント】
OAG 全体では、飲酒をする場合は眼圧へのリスクが高くなる傾向があったが、原発性と続発性で分けると原発性の方がリスク増になる可能性が示された。 しかし、続発性の場合は研究の異質性が高い傾向ががあり、さらなる研究結果を検討する必要性を感じた。