お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

ワークショップに参加してみました

5月19日AHEADMAPワークショップに参加してみた
様々な意見が交わされました

今回のテーマは「薬を飲めない、飲まない。。。にどう向き合えばよいのでしょうか」

近年、お薬の残薬問題が社会問題化しています。
お薬が余っているのは飲んでいない、使っていないからだけれど、

何故使っていないのか?

お薬を飲もうとしていなくて、余っている
お薬を飲みたいけれども、事情があって飲まなくて!余っている
種類や量が多く、飲む時間が複雑で飲み忘れた
病気が治ったと自分で判断して、飲むのを辞めた
(中央社会保険医療協議会 総会(第311回)資料、青島先生スライドより参考)

そもそもお薬を飲むという「行為」はするものなのか?されるものなのか?

されているのだとしたら、誰に?

そもそも、服薬アドヒアランスを本当によくした方がいいのか?気になりませんか?
(PMID:16790458)

余っているのは、もしかしたら薬が多いのかもしれませんよね?
近年話題になっている「ポリファーマシー」という問題もあります。
これを解決する方法はひとつじゃありません。
ある人は一包化したり、ある人は配合剤にしたり、ある人は減薬したり、ある人は生活習慣から見直したり

これが本当に必要な医療なのかな?

そもそも、患者さんの治療をする上で最終的なゴールはどこなのかな?

そのゴールに向かって私たち医療者は、患者さんを取り巻く周りはなにをすればいいのかな?ということを皆で考えるとても有意義な時間でした。

毎回EBMのワークショップは明確な着地点がありません

それぞれがもやっとした中で、目の前の患者さん個々に当てはめて、こうしたらいいかもを各々が、提案できたらいいですよね。

決してエビデンスの押し付けにならないように。。。

飛行機に搭載されている薬ってどれですか?

「この中にお医者様はいらっしゃいませんか!!!!」

 

そんな場面に出会ったことがありますか?

 

私は、医師ではないので、手を挙げられませんが

飛行機に搭載されている医薬品集をあらかじめ知っておけば、対応、治療の手札として有効なのかも・・・・しれない

なにか手伝えるかも・・・・しれない 現時点ではわからない

 

立ち会う瞬間はないかもしれないが、あるかもしれない

万が一に備えて、何が搭載されているのか気になってので調べてみました。

 

飛行機は「国土交通省」の管轄

そこで、国土交通省関連で検索すると

http://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/pdf/201701/00006370.pdf

航空法施行規則(昭和 27 年運輸省令第 56 号)第 150 条第 2 項の規定
「救急の用に供する医薬品及び医療用具について」

がでてきた。

まとめると

f:id:nitrotake8:20180513012017p:plain

こうなって、更に下のページを見てみると

追加してもいい医薬品リストがあった

f:id:nitrotake8:20180513012125p:plain

では、実際に各航空会社では何を搭載しているのか?

まずは、ANA

f:id:nitrotake8:20180513012226p:plain

次はJAL

f:id:nitrotake8:20180513012250p:plain

どの様な疾患を想定しているかによって変わってきますね。

救急性の高い疾患を想定して、血圧の維持や血管を広げる、血圧を上げる、けいれんを抑える、出産を実行させるか否かなど考えられます。

飛行機の中で治療を実行させて終了させるというよりは、地上にバトンタッチできる状態に持っていくことが、仕事かなぁ

 

そこで、薬剤師が何が出来るのか? 本当に何もしないがベストなのか?

模索していきたい

糖尿病の薬で2つ目を追加しやすいのはどれですか?

糖尿病で併用薬を使う割合はどのくらいなのだろうか?
そもそも1つ目を使って、どのくらいの確率で2つ目を追加するのだろうか?
 
そんな疑問を調べてみました
 
JAMA Intern Med. 2014 Dec;174(12):1955-62
Initial choice of oral glucose-lowering medication for diabetes mellitus: a patient-centered comparative effectiveness study.
PMID:25347323
 
第一選択薬として、メトホルミン、チアゾリジン系薬、DPP4I薬、SU剤を用いた時に、他の薬剤を追加する可能性で薬剤間の差はあるのか?
低血糖や心血管イベントに差はあるのか試験
【PECO】
P 15,516例=2型糖尿病患者、2009年7月1日~2013年6月30日
E メトホルミン(8,964例)
C チアゾリジン系(948例)、DPP4I(2,034例)、SU剤(2,034例)
O 主要アウトカム:他の薬剤の追加、インスリン療法の開始
副次アウトカム:低血糖による救急を受診する割合、心不全、心血管イベント(冠動脈性心疾患+うっ血性心不全+不安定狭心症脳梗塞+急性心筋梗塞+血行再建術の施行の複合)
除外基準:
①血糖降下薬のうち,meglitinide,α-グルコシダーゼ阻害薬,GLP-1アゴニストによる治療を開始した者、
②異なる2剤を同時に服用した者(併用療法など)
③第一選択薬投与開始から短期間のうちに第二選択薬を開始した者
 
【結果】
2つ目の薬の追加が必要だった割合

f:id:nitrotake8:20180505172839p:plain

メトホルミンと比べた時のハザード比(カッコ内:95%信頼区間) 

f:id:nitrotake8:20180505172942p:plain

副次アウトカム

f:id:nitrotake8:20180505173048p:plain

【感想】

追加について、メトホルミンと比べて、3つとも有意差があるようです。

案外、DPP4阻害薬が高くないことにびっくりしています。(3つの中でだけですが・・・)

副次アウトカムですが、低血糖によって救急を受診することに対して、有意差がでたのがSU剤ということは、やはり、低血糖リスクについて念頭において服薬指導をする必要があるなと改めて思い知らされました。

 

SU剤の低血糖については、

単独でも、メトホルミンを追加しても低血糖リスクだ高い→PMID:27413017

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=27413017

DPP4阻害薬vsSU剤の低血糖リスク→PMID:27329021

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=27329021

というのも報告されているので参考になれば幸いです。

 

<参考>

糖尿病トライアルデータベース

Berkowitz SA, et al. | 糖尿病トライアルデータベースd

 

先月のクリニカルクエスチョン

RP)
プレドニン
プログラフ顆粒
イトリゾールカプセル
バクタ配合錠

CQ.何故、バクタ配合が必要なのですか?

Rp)
トラムセット
アミティーザ

CQ.トラムセットに対する便秘にアミティーザは有効ですか?
CQ.トラムセットによる便秘に他の下剤はどのくらい有効ですか?

Rp)
ニフェジピンCR20㎎ 1T
健康診断で高血圧判明→内科受診(収縮期:170mmHg)だった

CQ.初回からニフェジピンを選択する理由は何ですか?
何故アムロジピンから投与じゃないのですか?

Rp)
プレドニゾロン5mg 6T
プレドニゾロン5mg 3T
プレドニゾロン5mg 1T
突発性難聴による処方)

CQ.突発性難聴にはPSLを何㎎から開始しますか?
CQ.どのくらいの期間、量で漸減療法していけばいいですか?

CQ.レイノー症にユベラは有効ですか?

CQ.イフェクサーSRを服用して血圧が上昇することはありますか?その頻度はどのくらいですか?

最近の糖尿病治療 めも

ACCORD studyが当時は衝撃的だった、、、らしい

 

なぜ衝撃的だったのか?まとめるためには時系列的に整理する必要があるのではないか

と考えました。

 

f:id:nitrotake8:20180503234410g:plain

 

拡大したもの

f:id:nitrotake8:20180504000044p:plain

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f:id:nitrotake8:20180504000401p:plain

f:id:nitrotake8:20180504000642p:plain

 

 

とても長くなってしまいました

これに加えて

青島先生にて、日経DIでこのような記事の紹介がありました

<血糖コントロール目標に対する違和感>

http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/di/column/aoshima2/201804/555757.html

 

この記事で紹介されていた論文も加えて、厳格な血糖(HbA1c)コントロールは合併症リスクを減らす可能性は従来療法と比べて有意差が無かった

こんな流れを歴史的に並べてみるとこんな感じなのかもしれない

※少々強引かもしれません

f:id:nitrotake8:20180504001754p:plain

こういうところから、参考にして

血糖コントロールをどうしようか?と一緒に向き合っていこうかな・・・

新人薬剤師に薦める本はどれですか?

もし今、後輩に
どうやって勉強すればいいですか?
と言われたら、あなたはどんな本を紹介しますか?
 
数年前に比べて、とても参考になる本が沢山発売されていますね
 
いっぱいあるからこそ、どれを選んだらいいのだろう?
 
 
【全般的に勉強する時、参考になるかも】
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