ビールはプリン体沢山入っているんでしょ?じゃあ焼酎とか飲めばいいよね?どーなんですか?
そこで今回はこの論文を読んでみました。
PMID: 24440541
論文のPECO
P:724人(男性:78%)(平均年齢:54歳)の痛風患者
E:24時間以内に中等度(男性2ドリンク/日、女性1ドリンク/日)(28.35g)以上のアルコール摂取した時と
C:24時間以内に中等度以上のアルコールを摂取していない時
O:痛風発作が起こるか
症例対照研究(後ろ向き研究):過去の細かい暴露状況がわからない→この結果だけで結論を決定しにくい。
デザイン:クロス・ケースコントロールスタディ(つまり飲酒した期間としてない期間を3ヶ月ごとに区切って入れ替えて介入している。)
【結果】
中等度のアルコール摂取と痛風発作の関係
男性:OR:1.41(95%CI:1.00-2.01)
女性:OR:1.06(95%CI:0.49-2.30)
プリン体≧850㎎+アルコール>2回 → OR:4.17(2.95-5.89)
プリン体≪850㎎+アルコール>2回 → OR:1.83(1.24-2.68)
考察:プリン体摂取量だけでなく、アルコール摂取量も痛風発作に関係している?
アルコール摂取を行うと①尿酸産生が上がる、②利尿作用にて尿濃縮、③尿酸排泄抑制が起こる。
《参考》
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-012.html
アルコール含量について
ワイン:9.6g/ビール(500mL):20g/ウイスキー(30mL):9.6g/日本酒(180mL):21.6g/焼酎(1合180mL):36g
焼酎1合で中等度以上アルコール含量は超えていますね(今回の論文で考えると)
《参考》
【結論】
ビールを飲むと確かに痛風発作が起こりますが、その代替案として焼酎や日本酒を代わりに沢山飲めば(痛風発作のためには)良いとは言いがたい。
そしてなにより、プリン体ゼロのビールの立場が危ういです。
今回の論文はAHEADMAP関東支部 抄読会2018年1回目 で扱った論文です。