PMID:31819599
J Pain Res, 12, 3147-3159 2019 Nov 19
【論文のPECO】
P:PDN(糖尿病神経障害)の2型糖尿病(HbA1c<10%)、18~75歳、N=90
E:プレガバリン(150㎎/日・分1)+N-アセチルシステイン(600㎎/回・分2)N=43
C:プレガバリン(150㎎/日)+プラセボ N=47
O:1次=ベースラインからのNRS(疼痛スコア)平均変化
2次=ベースラインからのSIS(睡眠解消スコア)平均変化
T:二重盲検無作為試験
★試験1週間前はすべての患者が鎮痛薬を飲んでいない(ウォッシュアウト期間)
★試験開始1週間前のスコアをベースラインとする
★NRS=11段階で毎日の平均疼痛スコア 0=痛み無し、10=最悪の痛み
★SIS=週平均睡眠障害スコア 0=睡眠に干渉しない 10=痛みが完全に干渉する、眠れない
【結果】
1次アウトカムE群-5.20 C群-3.45 1.76(1.05-2.49)P<0.001
2次アウトカムE群-5.60 C群-3.91 1.69(1.03-2.33)P<0.001
★糖尿病の期間(年)E群:10.42±5.84 C群:8.76±5.85 P=0.18
★hbA1c E群:7.79±0.90 C群:8.08±1.08 P=0.17
★NRSベースライン E群:8.51±1.36 C群:8±1.18 P=0.07
★SISベースライン E群:8.58±1.18 C群:8.17±1.12 P=0.09
【コメント】Nアセチルシステインと言えば、アセトアミノフェン(パラセタモール)の解毒薬としての印象が強いそのため、糖尿病神経障害に対する試験が組まれている本文献を見つけた時にびっくりをした。
1次アウトカムで痛みのスコアがC群に比べて改善されたことは勿論好ましいが、2次アウトカムで睡眠が改善された=痛みに妨げられることなく睡眠が確保できたことは、患者本人にとっては真のアウトカムの改善かもしれない。がん性疼痛の3つの目標となってしまうが「1痛みに妨げられない夜間の睡眠、2安静時の痛みの消失、3体動時の痛みの消失」の様な生活に直結するアウトカムの改善は薬の効果を実感しやすい。
★★(注意)日本では、アセチルシステインの内服剤は内用液のみで、【適応】はアセトアミノフェン過量摂取時の解毒 のみです。