お薬のこと

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2型糖尿病の若者に対するデュラグルチドの効果はありますか? PMID: 35658022

N Engl J Med. 2022 Aug 4;387(5):433-443.PMID: 35658022

【論文のPECO】
P:若者の2型糖尿病 10-18歳未満
E:デュラグルチド 0.75mg N=51/ 1.5mg N=52
C:プラセボ N=51
O:ベースラインからの 26 週の HbA1c 変化
【結果】
-1.4%(-1.9 to -0.8) P<0.001
0.75㎎群:-1.2%(-1.8 to -0.6) P<0.001
1.5㎎群:-1.5%(-2.1 to -0.9) P<0.001
2次アウトカム BMI変化
-0.1(-0.6 to 0.5) P=0.55
0.75mg -0.2(-0.7 to 0.4)
1.5mg -0.1(-0.6 to 0.5) 
【コメント】
若い T2DM に対してデュラグルチドを使用しても、HbA1c は下げる効果はあるが、
BMIの低下は見られなかった。
一般的に GLP-1 作動薬は体重、BMI 低下効果があるとされているが、成長期である10-18 歳の集団に対して使用する場合、過度の体重減少を心配することが無く、安全に使用することが出来るのかもしれない。
その反面、成長期の人がダイエット目的でデュラグルチドを使用した場合は、体重減少などを期待した効果は難しいのかもしれない。つまり、ダイエットには不向きな GLP-1作動薬である可能性があるのかもしれない。

他の GLP-1 作動薬の 10-18 歳集団に対する効果を確認していく必要がありそうだ。