お薬のこと

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2型DMにフラッシュグルコースモニタリングは評価に使えますか? PMID:31036546

PMID:31036546
Diabetes Care. 2019 Jul;42(7):1178-1184.
P:N=101 2型DM(インスリン注射している)、10週間観察、平均67.65歳、罹患歴:22.1年と21.53年、メトホルミン使用:72%、SU剤4.2%vs0.0%
E:フラッシュグルコースモニタリング(FGM) N=53
C:コントロール(SMBG) N=48
O:低血糖QOL、治療の満足度など
T:非盲検ランダム化(1:1)対照試験、オープンラベル?
【結果】
DTSQcアンケート(DTSQcは、現在の治療と試験開始前の治療を比較)E群(n=46)vsC群(n=36)
現在の治療の満足度:2.28(1.11)vs2.50(0.85)P=0.458
治療の便利さ:2.33(1.14)vs1.92(1.18)P=0.052
治療の柔軟さ:2.28(1.28)vs1.61(1.59)P=0.019
治療の(他人への)推奨具合:2.61(0.86)vs2.19(1.04)P=0.023
現在の治療を継続したいか:2.50(1.05)vs2.17(1.32)P=0.084
高血糖の認知度:0.87(1.73)vs0.64(1.69)P=0.490
低血糖の認知度:1.41(1.29)vs0.75(1.57)P=0.066

DTSQsアンケート(前後を比較していない?)E群(n=50)vsC群(n=46)
現在の治療の満足度:0.82(1.55)vs0.57(1.26)P=0.187
治療の便利さ:1.14(1.89)vs0.43(1.70)P=0.019
治療の柔軟さ:1.42(2.05)vs0.63(1.45)P=0.044
治療の推奨具合:1.08(2.13)vs0.98(1.89)P=0.604
現在の治療を継続したいか:1.34(1.98)vs0.80(1.82)P=0.290
高血糖の認知度:-0.58(1.55)vs-0.70(1.38)P=0.773
低血糖の認知度:0.88(1.88)vs0.20(1.60)P=0.013

平均HbA1c:8.68%(0.87)vs8.34%(0.74)
平均HbA1c減少(ITT解析):-0.82%(0.84)vs-0.33%(0.78)P=0.005

【コメント】
FGM(フラッシュグルコースモニタリング)とは、腕に機器をかざすだけでグルコースを測定できるため針を使うことが無く侵襲性が低い、感染リスクが低い。
1型糖尿病のグルコース推移を把握する報告は多くあるが、2型DMでの報告は少ない。
今回は2つの評価を結果として出しているが、メインの評価はDTSQcアンケートの方である。
治療の便利さ、柔軟さ、推奨度、低血糖の認知頻度は有意にFGM群の方が有意に高い。
針を刺さないで血糖値が分かるなら、2型DM(非インスリン療法)の人に推奨しても良いのではないだろうか。また低血糖の認知度が上がった事で対応がしやすくなるかもしれない。