お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

本日のクリニカル・クエスチョン

症例
【背景】
80歳、女性、心臓疾患あり、糖尿病なし
<服薬歴>
エリキュース2.5 1日2回 朝夕
ネキシウム10
メインテート2.5
ニコランジル5

【考察】
<CHAD2スコア>
2~3点
心機能低下による心原性脳梗塞発生を抑制するために(起こさないために)服薬。
<OUTCOME及びクリニカル・クエスチョン>
→①服薬よって死亡率は減少しますか?
→②80歳にDOACは必要ですか?
→③DOACによる出血リスクはどのくらいですか?
→④脳梗塞はどのくらい防ぐことが出来ますか?
⑤抗不整脈薬が出ていないのは何故だと考えますか?

 ⇒⑤メインテート(ビソプロロール)をレートコントロールに用いている。心房細動におけるレートコントロール
~引用開始~https://www.jstage.jst.go.jp/article/jse/33/5/33_458/_pdf
β遮断薬には多くの種類があるが,これらのなかでレートコントロール療法に用いられることが多いのは,ビソプロロール,カルベジロール,メトプロロール,プロプラノロールである 9).
特に,ビソプロロールとカルベジロールの使用頻度が高い.ビソプロロールとカルベジロールの薬理作用は,両極端である.ビソプロロールは心臓に対するβ遮断作用のみを有しているため “ピュアβ1遮断薬 ”,カルベジロールは心臓(β1)以外にもβ2やα受容体に対する作用、弱いながらもイオンチャネルに対する作用,さらには多くの付随的な作用を有するため “マルチβ遮断薬 ”と名付けると,両薬剤の違いを容易に理解することができる 9).
両薬剤の使い分けのポイントは,レート抑制効果の程度である.ビソプロロールはカルベジロールと比較して,レート抑制効果が圧倒的に強い.

具体例を考えて考えてみました。

参考になれば幸いです。