お薬のこと

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PMID:31815931 SGLT2阻害薬を使うとAKIは増えますか? SR&メタ分析

PMID:31815931 PLoS Med, 16 (12), e1002983 2019 Dec 9
SGLT2阻害薬を投与されている患者における急性腎障害と腎有害事象:システマッティクレビューとメタ分析

【論文のPECO】
P:2型DM N=180711 (96777のRCT(112件)と83934のコホート(5件))
E:SGLT-2阻害薬を使うのと
C:プラセボ 又は 他の経口血糖降下薬を比べると
O:AKIの有害事象は減りますか?
【結果】
(検索バイアス)PubMed、EMBASE、およびCochraneライブラリ
(評価者バイアス)2人が独立して評価。結果が異なる場合3人目が評価→バイアス無しと判断
(出版バイアス)ファンネルプロット左右対称→出版バイアス無しと判断
(異質性バイアス)??
RCTでは入院を必要とするAKIを36%減らせた。(OR:0.64 95%CI:0.53-0.78)
【背景】
SGLT-2阻害薬はeGFRの低下に伴い長期の腎機能を保護する事が報告されているが、急性期(AKI)が増えるかもしれない懸念があった。
そこでSGLT2I阻害薬で治療された患者で、AKIのリスク、量減少、および量の違いがあるかどうかの問題に対処するために、システマッティクレビューとメタ分析を実施した。
【コメント】
糖尿病患者でのSGLT-2阻害薬間でAKI発生の差は見られず、AKIを減らすことに繋がる可能性がある。
DAPA-HFの結果を受けて糖尿病疾患ではない心不全症例に対する適応を申請中であることから、糖尿病罹患以外を対象にした使用でもAKIのリスクなどを確認していきたい。