日本ではアルコール以外の薬物が乱用された歴史はほとんどないらしい。
主に臨床的な問題の乱用者が出てくるのは第二次世界大戦中~後が多いとの報告あり。
この理由には、
戦時中による隊員の気分の落ち込み、落胆、疲弊の回復にメタンフェタミン(ヒロポン)を使ってなんとか戦う気力を!!
戦後は、敗戦による気分の落ち込みなどを回復させるためにメタンフェタミンを使用していくようになっていました。はだしのゲンでも描かれているところですね。
これにより覚せい剤乱用から始まりました。
その後は、日本が復興期を終え産業社会化に入った(1964年東京オリンピック開催。 東海道新幹線開通。)1956年前後に覚醒剤乱用が次第に減少。
→第一次覚醒剤乱用期。
覚醒剤が下火になりだした1957~1958年頃から入れ替わるように、ヘロインをはじめとした麻薬乱用者が増えてきました。
しかし、1963年最高刑を無期懲役まで引き上げの改正などの対策を経て、1963年をピークにヘロイン乱用者は激減しました。
これは1965年前後には日本が高度成長期に入った事などが要因とされているようです。
そして、1975年頃から第二次覚醒剤乱用期、1995年から第三次覚醒剤乱用期。1998年頃からマジックマッシュルームなどの違法薬物の流行
つまり、日本では太平洋戦争がきっかけで薬物乱用が始まり戦後復興の兆しが見えた辺りに覚醒剤乱用が下火、高度成長期計画が出てくる辺りで法整備や環境変化によって麻薬乱用の下火が生じたようです。
一国の経済的状況と薬物乱用状況は近いのかもしれません。
と、すると
最近の出来事として、リーマンショックと脱法ハーブ流行が重なるのでしょうか?
「リーマン・ショックは、2008年9月15日」
「脱法ハーブは、日本では2009年ごろから同様の製品が見つかっています」
「lehman brother Tetrahydrocannabinol NCBI」で検索しましたが、
この考察に関連した論文は見つかりませんでした。
時期が重なっているだけなので、報告を含めた論文は無いのかもしれません。
以上です。
【参考】
日本における依存性薬物乱用の動向 加藤 正明 臨床薬理 1974年5巻2号 100-103 DOI https://doi.org/10.3999/jscpt.5.100
神奈川県衛生研究所
http://www.eiken.pref.kanagawa.jp/005_databox/0504_jouhou/0601_eiken_news/files/eiken_news152.htm