お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

クラリスロマイシンやアジスロマイシンとCCBの併用は相互作用で副作用はありますか? PMID:24346990

Calcium-channel blocker-clarithromycin drug interactions and acute kidney injury.
JAMA. 2013 Dec 18;310(23):2544-53.

PMID:24346990
P:クラリスロマイシン(N=96226)とアジスロマイシン(N=94083)を新たに処方された高齢者 平均年齢=76歳
E:アムロジピン、フェロジピン、ニフェジピン、ジルチアゼム、またはベラパミルの併用
C:併用無し
O:急性腎障害(DKI)、低血圧および全死亡による入院
クラリスロマイシンとアジスロマイシン:CYP3A4の阻害薬
CCB:CYP3A4の基質

後ろ向きコホート試験
【結果】
クラリスロマイシン+アムロジピン
DKIによる入院リスク→2倍 OR:2.03(1.72 to 2.41)
低血圧による入院→1.6倍 OR:1.63(1.21 to 2.22)
総死亡率→1.7倍 OR:1.74(1.54 to 1.94)
<各薬剤間の違い>クラリスロマイシン併用vsアジスロマイシン併用
ニフェジピン⇒5.33倍 OR:5.33(3.39 to 8.38)
ジルチアゼム⇒OR:1.36(0.93 to 1.99)
フェロジピン⇒OR:2.97(1.09 to 8.06)
ベラパミル⇒OR:0.97(0.39 to 2.45)
【コメント】
クラリスロマイシンとCCBの組み合わせで、低血圧リスク1.6倍、DKIによる入院リスク2倍
そして、ニフェジピンとの併用でリスクが5.33倍になるのは要注意として覚えておきたい。

またNNH=160人ということで、160人に一人は副作用が発現する可能性があるのでモニタリング、組み合わせを注意しておいた方がいいと思われます。。
耳鼻科でこの時期(秋)は副鼻腔炎治療にクラリスロマイシンを良く使うので、血圧治療においてCCB(特にニフェジピン)を使っている症例があったら要チェックを!!

 

今回の文献は山本先生の書籍から学びを得ました。 

誰も教えてくれなかった実践薬歴

誰も教えてくれなかった実践薬歴