<モルヒネはいつ作られたんですか?>
厳密にいうと、作られたではなく阿片という植物から分離、単離が出来たのはいつ?
これは19世紀です!
1804年にドイツの薬剤師フリードリヒ・ゼルチュルナー(1783年 - 1841年)が、同じドイツの薬剤師クラーマー(Franz Anton Cramer:1776年 ‐ 1829年)さんの支援を受けて、阿片からモルヒネが初めて分離されました。
ゼルチュルナーは、この薬が「夢のように痛みを取り除いてくれる」ということから、ギリシア神話に登場する夢の神モルペウス (Morpheus)にちなんでモルフィウム (morphium) と名づけました。これがモルヒネの誕生の瞬間です
(http://www.sertuerner-gesellschaft.de/sertuerner.htm)
ギリシャ神話といえば、他にもギリシャ神話から医学用語にした言葉がいくつかあるみたいです!
例えば「アキレス腱」のアキレス、「くも膜下出血」のクモ とかが当てはまるみたいです。
杉田玄白らが解体新書を翻訳するときに、これらの背景を知っていたら、もしかしたら別の日本語訳になっていた医学用語があるのかも?と想像をするとワクワクしてきませんか?
参考
医学英語とギリシャ神話に関する基礎的研究 『長崎国際大学論叢』 第9巻 2009年3月 45頁~53頁 平井 美津子
1831年辺りからモルヒネの構造式を探ろうと、Liebigらが発表。
最終的に、1925年のロバート・ロビンソン(Sir Robert Robinson:1886 - 1975)がモルヒネの構造をの仮説をたてました。
1952年 Marshall Gates(1915~2003)が人類初のモルヒネの全合成を完成させて、Robert の仮説が正しいと証明されました。
Robert Robinsonは、これらの物質(=アルカロイド)の業績に対し1947年にノーベル化学賞受賞
アヘンの化学(http://www2.odn.ne.jp/~had26900/about_souyaku/chem_ahen.htm)
オピオイドリガンドの設計 化学と生物 Vol.23 No,1
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/23/1/23_1_23/_pdf/-char/ja